ツリークライミング
みなさん、ツリークライミングを知っていますか?
誰もが子どものころに一度は木登りを体験したことがあると思いますが、ツリークライミングはただの木登りではありません。今回、我々地域おこし協力隊の2名は、ツリークライミング🄬ジャパン(以下、TCJ)が主催するベーシックツリークライマー講習会を受講し、ツリークライミングの基礎を学んできましたので、その様子をお届けします!
まず、そもそもツリークライミングとはどんなものかを説明します。
専用のロープやサドル(安全帯)、安全保護具を利用して木に登り、木や森、自然との一体感を味わうアクティビティで、樹上の世界から見渡す景色を楽しむも良し、目の前に現れる樹木の細部を観察するも良し、木に訪れる鳥や虫たちとのコミュニケーションを楽しむも良し・・・とその楽しみ方は無限大です。普段下から木を見上げているだけでは味わうことができない世界が自分の目の前に広がった時、まるで虫眼鏡で自然の世界を覗くようなワクワク・ドキドキした世界に出会えます。
このアクティビティを日本国内で体系化したTCJは、アメリカに本部を置くツリークライマーズインターナショナル(TCI)の日本支部として2000年に設立され、以降、年齢や性別、ハンディキャップの有無も関係なく、多くの人々に樹上の世界のすばらしさを伝えることを使命とし、全国各地で講習会や体験会イベントなどを実施しています。
南都留森林組合では、これまでも従来の森林整備に加え、森林資源や空間を活用した様々なサービスを提供してきましたが、今後、より幅広い体験活動を取り入れていくために、地域おこし協力隊が今回ツリークライミングにチャンレジすることとなりました。
講習では、クライミングする木を選ぶ際の留意事項から、登るためのロープシステムの作り方、そのために必要な個々のロープワーク、道具の使い方、様々な装備品の装着の仕方、安全にクライミングするための手法とコール(掛け声)などを学びます。ロープや道具を駆使して、いかに安全に最小限の力でクライミングするかというところがポイントです。2日間の講習で、選木し、ロープをセットアップし、登って降りて、すべての装置を片付けるところまで一通りをマスタ ーしました。
今回の講習では、技術だけではなく、『森の中では自然が主役』というツリークライマーとして重要な基本姿勢も学びました。TCJの理念にある“多様な生物が暮らす森では、敵対や競争ではなく、共生によってバランスが保たれる。多様な森を理解するためには、我々人間の感性が豊かであることが必要で、多様性を受け入れる心のゆとり、思想的な多様さが求められている”という考えに共感を抱きました。自然の豊かさや人の心の豊かさに欠くことのできない『多様性』というものについて深く考えるきっかけとなりました。
都留市の地域おこし協力隊として林業に関わるようになり、多くのことを学び、これまで知らなかった森や樹木の世界を垣間見てきましたが、今回の講習を通して、自然界から人間が学ぶべきことの最も大切なことを改めて理解した気がします。これからもっともっと深いツリークライミングの世界を探求していきたいです。
執筆:辻