地拵え(じごしらえ)
今回の講義では、林地を整理する「地拵え」を勉強しました。
地拵えとは、林地を整理し植栽場所を確保、造林するための作業です。
林業を循環させるためには、林地を整理し、再造林していくことが重要ですが、現状として、再造林の機会は減少しているそうです。木材価格の低下等の理由で費用対効果が見込めないこと、それに林業事業体の中でも木材搬出を主とする「素材生産業者」、植栽や保育などを主とする「造林業者」というように分業化されているようで、この点も費用対効果が見込めずに、再造林ができない理由であるようです。
しかし、新たな地拵えの作業システム(一貫作業システム)として、「木材搬出→地拵え→植栽」を同じ事業体で行っている所では、重機、人員を一貫して回せるため作業の安全性と効率性を確保できているそうです。違う得意分野を持った林業事業体同士が手を組み、林業の衰退に歯止めをかけることが重要だと思います。
地拵えの適期は、樹木の水分・養分の吸い上げが止まり、葉が落ち樹木全体が軽くなる時期で11月から3月頃までといわれています。
作業時期がずれると、樹木の重量が増えたり、下刈りの回数が増えたりしてしまうため、作業量が大きく増えてしまいます。安全で効率的な作業のためには時期も重要ということです。
今回の実技では、雑草、笹、低木の刈り払い、杭の作成と打ち込み、刈り払った草や枝をまとめる「巻き落とし」をして棚を作り、その後、残った落葉樹を伐倒しました。
針葉樹と違い、落葉樹は真っ直ぐ成長していないことが多いので、伐倒の際に裂ける危険があります。
事前に伐倒の際に樹木が裂ける危険を学んでいたので、重心を見極めるのと同時に、受け口の形や「つる」の残し方も変え、皆さん慎重に作業されていました。
執筆者:山本 学