コンテンツへスキップ
南都留森林組合
  • ホーム
  • 南都留森林組合について
  • 都留の森ツアー
  • イベント
  • 採用情報
  • アクセス
  • Facebook
南都留森林組合
協力隊員投稿一覧

林業一年生 Vol.24

投稿日: 2021年5月10日 minamitsuru

森の香りづくりスタート

森林整備をしている中で、間伐をしても木を運び出すことができずに森林に切り捨てなければならないケースがあります。持続可能な森林経営を考えると、伐った木を運び出して、活用することが理想ですが、丸太を山から運び出すにはかなりの労力とコストがかかり、ここ最近の木材需要を考えると、伐った木のすべてを搬出しても採算が合わないことが多々あります。しかし、森林は間伐をして適度に光環境をコントロールしなければいい森に育ちませんから、間伐は木材の需要があってもなくてもやらなければならず、山林に打ち捨てられてしまう木々がたくさんあります。

森の資源を余すことなく活用したいという思いや、都留市にはクロモジやアブラチャンなどの香木が多く自生していることもあり、そういった樹木から精油をつくりたいというアイデアが以前からありました。そこで地域おこし協力隊が主体となり、今年度から精油づくりプロジェクトをスタートさせました。現在、全国でも同じような考えから、樹木の精油づくりをしている団体がかなり増えてきています。

今はクロモジの研究をしています。クロモジは、クスノキ科の落葉低木で、リラックス効果があると言われているリナロールを主成分とし、その枝からは甘く爽やかな香りがします。江戸時代から和菓子の高級楊枝として使われたり、クロモジ茶として親しまれたりしてきました。クロモジの名前の由来は、比較的若い緑の枝に黒い文字が浮き出てきたように見えるので『黒文字』と書かれるようになったそうです。

クロモジの花

これまでにいろいろと条件を変えて5回の蒸留を試しましたが、驚くことに香りはどれひとつとして同じものはありません。植物には自分の力で行きたいところに行けない代わりに、他の動植物や虫などから身を守るための独特の香りや抗菌作用や抗酸化作用をもつものがたくさんあります。クロモジは香りが良いだけではなく、エキスには抗ウイルス作用が確認されているそうです。

精油づくりは、まず材料を山から採ってくるところから始まります。そして、採ってきた枝葉を1~2㎝程度に細かく裁断し、水を入れた蒸留窯に入れ、準備ができたら、蒸留窯を火にかけます。

私たちは料理用のIHヒーターを利用しています。水蒸気蒸留法は、窯の中の材料が熱せられ、上がってくる蒸気を、窯の上部にある冷却機で冷やし再び液体に戻します。冷却機から出てくる液体は、芳香蒸留水と精油が混ざっていますが、ロートの中で油は浮き、芳香蒸留水は沈みますので、あとから芳香蒸留水と精油を分離させます。

火にかけて一定の時間が経つと辺りに柑橘系のツーンとした爽やかな香りが漂ってきて、最初の一滴を待っているとその時は訪れます。まるで植物が大切に温めていたものを一気に外に送り出すように、キラキラと輝く蒸留水がぽたぽたとロートに落ちて溜まっていきます。しばらくすると上部にはうっすらと薄黄色の油の膜が見えてきます。その頃には、もう部屋中にクロモジの香りが充満し、それだけで幸せな気持ちになります。

今後、クロモジの蒸留方法が確立されてきたら、同じクロモジ属のアブラチャンやダンコウバイなどにも挑戦したり、伐採されたヒノキやスギなどの針葉樹の蒸留にも広げていけたらと考えています。

これから、どんな森の香りができるのかお楽しみに!!

執筆者:辻 康子

 

投稿ナビゲーション

⟵林業一年生 Vol.23
チェーンソー資格講習会⟶

参加者募集中のイベント

秋のリースづくりワークショップのお知らせ

日にちが延期になりました!!木こりのしごとイベントのご案内

都留の森モニターツアー~リースづくり~

令和2年度 都留市森の学校募集開始!

キャンプイベント中止のお知らせ

都留市森の学校コラボ! 道の駅つるでキャンプイベント開催!

チェーンソー講習会「伐倒テクニカルキャンプ」開催します!

南都留森林組合

山梨県都留市法能404-13
TEL 0554-43-7455
FAX 0554-43-6982
MAIL minamisinkumi@cc.wakwak.com

プライバシーポリシー